[SETI@home] 次期 SETI@home と寄付の要請について
SETI@home プロジェクト参加者には「SETI@home Needs your Help」というタイトルのメールが届いていると思います。 新しいバージョンの SETI@home の紹介と, そのために必要な資金について寄付をお願いするメールです。 そこで現在の SETI@home プロジェクトがどうなっているのか少し説明しておきます。
現在βテスト中の新しい SETI@home アプリケーションでは, これまでよりサンプリング周波数がアップ(つまりデータの分解能が向上)します。 そのためワークユニットあたりの解析時間もたくさん必要になりますが, より詳細な解析が可能になります。 新しい SETI@home クライアントは完成次第 BOINC により自動的にアップデートされます。
これはサーバ側の話ですが, 「Near Time Persistency Checker (ほぼ即時の継続性検査)」 という仕組みが組み込まれました。 これについては TPS に詳しい解説があります。
これにより興味を引く特徴的な信号パターンが繰り返し観測されたことがすぐに分かるようになるそうです。 フィードバックが速くなればそれだけ参加者のモチベーションも上がりますし, 今後に期待したいと思います。
更にアレシボ電波望遠鏡に新しく設置された受信装置に対応したデータレコーディング・システムが開発中です。 アレシボ電波望遠鏡に新しく設置された受信装置については以下の記事が参考になります。
新しい受信装置は同時に7箇所を観測することができます。 この受信装置に対応したデータレコーダを繋ぐことで探索範囲を広げることができます。 またレコーディング機能の強化により感度もよくなることが期待されています。 もちろん, 新しいレコーダに対応する SETI@home クライアントの開発も必要です。
ただし, 現在 SETI@home は大きな資金難に直面しています。 まず来年度予算として約75万ドル必要なのですが, 2006年3月20日時点でまた10万ドルほどだそうです。 資金難の理由としては企業からの寄付が底をついてきたことが大きいようですが, このままではプロジェクトの運営が頓挫してしまう可能性もあります。
Club-HUAA としては寄付を行う予定はありませんが, もし「我こそは」という方がいらっしゃいましたら 「Donate to SETI@home」(日本語訳)からお願いします。 寄付は10ドルからできます。 送金方法としてはクレジットカード以外に銀行振込や PayPal を使った方法が紹介されています。 (ただし日本からの送金となると選択肢が限られるかもしれませんが)
参考: