分散コンピューティング・プロジェクトとしての SETI@home の大成功により, 他の分野でもこの方法を応用しようという動きが出てきています。 ここではそういったプロジェクトを (私の知りうる範囲で) 紹介していきます。
なお Mat さんの 「各種分散コンピューティングプロジェクトの紹介」 の方が網羅的でお薦めです。
蛋白質の 「折り畳み」(Fold) シミュレーションを分散コンピューティングで行おうというプロジェクトです。 米国のスタンフォード大学が中心になって行っています。 この成果によってアルツハイマー病, 嚢胞性線維症, ヤコブ病 (CJD), 遺伝型肺気腫やその他の癌の発生メカニズム解明に寄与できると期待されています。 日本語圏では 「Folding@Home 2.0 非公式日本語翻訳」 などのページが参考になると思います。
また Google の新しい検索ツールバーソフトでは Folding@home の解析プログラムが組み込まれるそうです。 (「Googleツールバーが分散コンピューティングの入り口に」)
SETI@home 日本語ML の情報 (2002/01/20) によると
SETI@home は膨大な観測データを分散処理で解析していますが, 同様の事を天文学の別分野で行おうという, バーチャル天文台の計画が進められています.
全米科学財団がこの研究に1000万ドル出資することを決定したそうです.
だそうです。 楽しみですね。
分散コンピューティングのパワーを医療研究の分野で役立てようというプロジェクトです。 最初は白血病の治療薬研究用のソフトが公開されました。 最近は炭疸菌などの研究もやっているようです。 日本語圏では
あたりが参考になるかもしれません。
RSAの主催する暗号破りコンテストは SETI@home より歴史が古く, 現在も様々なカテゴリで続けられています。
現在行われているものは RSA Security 社の暗号方式の堅牢さを誇示するためのプロパガンダ的な色彩が強いですが, 進化するコンピュータスペックと暗号強度との関係を見るいい指標になっていますし, 賞金も出ることもあって人気が高いです。 参加チームとしては distributed.net が有名で, 分散コンピューティングによる力業でのクラックに挑戦しています。