[SETI@home] SETI@home 10周年
SETI@home プロジェクトが10周年を迎えました。 (詳細を読む)
「Club-HUAA」とは, 広島大学天文学研究会(Hiroshima University Astronomical Association)の現役会員およびそのOB/OGの方々を中心とした SETI@home プロジェクト参加グループです。 SETI@home プロジェクトを通じてこの世界的天文学実験に貢献したい, あるいはイベントを肴にみんなと楽しみたい, といった方たちのために交流の接点となるようグループを立ち上げました。 グループを立ち上げるにあたって, 当時の天文研の現役の会員の方々よりグループ名に「HUAA」を使ってよいとの快諾をいただき, 1999年6月に登録を行いました。
2005年12月より SETI@home プロジェクトは BOINC をベースにしたバージョンにアップグレードしました。 またこれに伴いひとつのプラットフォーム上で複数の学術プロジェクトを稼動させることができるようになりました。 そこで今後 Club-HUAA の活動も SETI@home 以外の(できれば天文学・宇宙論分野の)プロジェクトにも少しずつ幅を広げていく予定です。
天文研関係者以外の方でも, 各プロジェクトの趣旨を理解していただき, 上述したグループの活動内容に納得していただけるのでしたら大歓迎です。
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BOINC (Berkeley Open Infrastructure for Network Computing)は参加型の分散コンピューティング(パブリック・コンピューティング)のためのプラットフォームです。 膨大な計算を必要とする(主に学術)プロジェクトは BOINC プラットフォーム上で分散コンピューティングのプロジェクトを構築し参加者を募ることが出来ます。 またプロジェクトに参加したいユーザは BOINC クライアントを使って同時に複数の分散コンピューティング・プロジェクトに参加することが出来ます。 BOINC の掲げる目標は以下に書かれています。
現在 Club-HUAA として登録している BOINC ベースのプロジェクトは以下のとおりです。 他にも要望があれば増やしていきたいと思います。
これ以外のプロジェクトについては BOINC プロジェクトのページで紹介されています。 気象変化のシミュレーションを行う Climateprediction.net や医学・生物学関連のプロジェクトが人気のようです。
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「この宇宙には本当に我々地球人以外の知的生命は存在しないのだろうか」
この疑問に答えるべく様々な実験・観測が試みられています。 こうした試みを全部引っくるめて 「地球外知的生命探査」(the Search for Extra-Terrestrial Intelligence: SETI) と呼んでいます。
SETIの観測方法として最もポピュラーなのが宇宙からの電波を観測することです。 電波望遠鏡などで捕らえられる宇宙からの電波を解析して自然界にはない有意のパターンを探し, 地球外文明の可能性を探っていきます。 このうち 「自然界にはない有意のパターンを探し」 の部分をインターネットに接続可能なコンピュータの余ってるパワーを利用してちょっとずつ分散させてやろうというのが SETI@home (The Search for Extraterrestrial Intelligence at HOME) の目的です。
2005年12月に SETI@home プロジェクトは完全に BOINC ベースに移行しました。 移行については以下の記事が参考になります。 なお, これまでの活動は SETI@home Classic として残されています。
BOINC ベースの SETI@home に移行することで, より柔軟なプロジェクト運営が可能になりました。 今後の予定としては, データの分解能を向上させた(つまり解析に時間がかかる)拡張版 SETI@home や(2006年5月にリリースされました), 新しいデータレコーダ(開発中)に対応する SETI@home や, SETI@home で収集したデータを使ったサブプロジェクト Astropulse も計画されています。 Astropulse では「コヒーレント分散除去法」を用いてパルス信号を探索します。 この解析により地球外文明の信号のみならず蒸発するブラックホール(これはホーキング博士によって予言されている現象です)の兆候や新しいパルサーを観測できるかもしれないと期待されています。
現在の一番の問題は資金難ですが, なんとか乗り切って欲しいと思います。
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Einstein@Home は2005年の「国際物理年」のイベントのひとつとして開始されました。 レーザー干渉計を使った重力波検出器を使って重力波の直接検出を目指します。
重力波はアインシュタイン博士の一般相対性理論によりその存在が予測されていますが, いまだに直接観測されていません(ただし連星パルサーの観測から間接的にその存在が証明されています)。 観測のターゲットとなるのはパルサー(高速回転する中性子星)です。 もし軸対象でないパルサーが存在すれば, その星は重力波を放出する筈です。 しかし, もし重力波を放出しているとしてもそれはごく微弱であると予測されています。 観測装置の多くのノイズの中から重力波のシグナルを見つけ出すのには膨大な計算が必要です。 その「膨大な計算」の部分を私たちのコンピュータの空き時間で分担してやろうというのが Einstein@Home の内容です。 なお,実際に観測を行うのはアメリカの LIGO およびドイツの GEO 600 です。
Club-HUAA では Einstein@Home でもチームを登録しています。 もしコンピュータ・パワーに余力がありましたら, こちらも試してみてください。
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